
飛行機のチケットを探していて、「安い!」と驚いたことはありませんか?
LCC(ローコストキャリア)と呼ばれる格安航空会社では、安価にチケットを手に入れることができます。
しかし安さに惹かれて選んだはいいものの、何も知らずに乗ると「こんなはずじゃなかった!」と後悔することも。
LCCとANA・JALのような大手航空会社では、いくつか大きな違いがあります。
この記事では旅に不慣れな方でも安心して選べるように、LCCと大手航空会社の違いをやさしく解説します。
1. サービスの範囲が異なる
ANAやJALでは、機内ドリンクや、受託手荷物、座席指定などが基本的に無料です。
一方でLCCではすべて有料オプションであることが一般的です。
項目 | ANA・JAL | LCC |
---|---|---|
機内ドリンク | 無料 | 有料 |
座席指定 | 無料 | 有料(運賃タイプによる) |
預け荷物 | 無料(上限あり) | 有料(運賃タイプによる) |
✈️ LCCが安い理由
航空機の安全に関わる部分はどの航空会社も同水準ですが、LCCはそれ以外のサービス部分を徹底的にコストカットして安さを実現しています。
必要なサービスを必要な人だけが有料で利用する「選択制」のスタイルです。
2. 機内持ち込み手荷物のルールが厳しい

LCCでは機内持ち込みのルールが非常に厳格です。
特に注意が必要なのは、保安検査前での重量チェック。
保安検査場の待ち列の入り口にスタッフが立っており、荷物を専用のはかりに乗せるよう指示されることがあります。
- 7kg以内などの規定を超えると、減らしてくるように追い返される
- 預ける場合は事前決済のほうが安く、空港カウンターでの支払いは約1.5倍になることも
💡対策ポイント
- 自宅でスーツケースの重さを測る習慣を
- 携帯用のバッグスケールがあると安心
- 荷物が増える予定なら、事前に受託手荷物オプションを購入
3. 利用する空港やターミナルが異なる場合も

LCCは空港使用料を抑えるために、郊外の空港やLCC専用ターミナルを使用することが多いです。
- 成田空港:LCCは第3ターミナル(駅から徒歩orバス移動)
- 関西空港:LCCは第2ターミナル(駅からバス移動)
同じ空港でも大手とターミナルが違うため、乗り継ぎや移動時間に注意が必要です。
またLCC専用ターミナルは飲食店や設備が少なめなこともあるため、事前の準備をおすすめします。
4. 運賃タイプによっては、変更・キャンセル不可
LCCのチケットは1番安いタイプだと基本的に変更・キャンセル不可。
予定が変わっても返金が一切なく、全額自己負担になることが多いです。
体験談:
推しのライブ遠征のためにLCCでチケットを購入。
しかしアーティストが体調不良でイベント中止。コロナ禍だったため観光予定もなく、結局乗らないのに返金もできませんでした。
最安値は嬉しいですが、リスクを承知の上で購入することをおすすめします。
ANA・JALとの違い
- ANA・JALでもキャンセル料はかかりますが、一部早割でも払戻対応あり
- 変更可能な「フレックス運賃」など、柔軟性のある選択肢が用意されている
💡対策ポイント
- LCCでも「変更可能プラン」が選べる場合があるので要確認
- 予定が不確定なときは、大手航空会社も選択肢に入れて検討を
5. 機内の手荷物収納が厳しい
LCCでは機内持ち込み荷物の重さだけでなく、「離着陸時」の収納方法にも厳しいルールがあります。
- 荷物は上の棚か座席下に収納するのが必須
- 膝の上に荷物を置いておくのは禁止
- 寝ていても、CAが起こして収納を指示することがあります
これは単なるマナーではなく、緊急脱出時の妨げを防ぐための保安ルールです。
特にLCCは座席間隔が狭いため、少しの荷物でも避難の妨げになる可能性があります。
💡対策ポイント
- 必要なものだけを小さなポーチにまとめて座席下へ
- 荷物の収納をすぐ済ませられるよう事前に準備を
6. (おまけ)機種を統一して運航コストを削減
LCCの多くは、使用する飛行機の型を1種類に絞って運航しています。
たとえばPeachではA320型機を主力としつつ、一部でA321LRも導入していますが、どちらもA320ファミリーで同一型式。
特にパイロットはミス防止の観点から、複数の機種を兼任して扱うことはできません。
そのため機種を統一することで、教育・運用コストを抑えられます。
主なメリット
- 資格管理がシンプルになる(パイロット・整備士・CAなど)
- 機材繰りがしやすくなる(どの機体でも代替できる)
- 部品やマニュアルの共通化ができる
さらに、地上業務(グラハン)にとっても大きなメリットがあります。
✈️ 元グラハンの実感:
機材が統一されていると、誘導位置・ドアの構造・貨物室の仕様などが共通なので、教育時間が短縮されて新人を育てやすくなります。
さらに作業手順が頭に入りやすく、現場の効率も大幅に向上します。
まとめ|違いを知って、LCCを上手に使おう!
LCCは「とにかく安く移動したい」人にとって強い味方です。
ただしANAやJALと同じ感覚で使うと、戸惑いやトラブルにつながることも。
違いを理解し事前準備さえすれば、LCCはとても便利でコスパの高い移動手段になります。
それでは良い旅を。