
空港で搭乗ゲートに間に合わず飛行機に乗り遅れてしまったとき、絶望を感じた経験がある人もいるのではないでしょうか。
キャンセル料などのお金の心配はもちろんですが、預けた手荷物の行方も心配です。
しかし、ご安心を。

結論として原則として本人が搭乗していない場合、その人の手荷物だけを飛行機に乗せることはありません。
これは保安ルールに基づいた対応で、航空会社や空港スタッフが連携しながら徹底して管理しています。
なぜ荷物だけを飛ばさないのか?
最大の理由は「保安上のリスク回避」です。
本人が乗っていない荷物がそのまま飛行機に積まれてしまうと中身の確認ができず、危険物や不審物が含まれている可能性を否定できません。
そのため搭乗締切時刻になっても搭乗していない乗客がいる場合は、該当の手荷物を貨物室から取り下ろす「オフロード」という作業が行われます。
この作業には時間がかかることもあり、飛行機の出発が遅れる原因にもなります。
飛行機の出発時刻については、こちらもご覧ください。
荷物の取り下ろし作業は結構大変

グランドハンドリングの現場では、荷物の取り下ろしはまさに時間との勝負。
該当する手荷物の番号を無線で聞き取り、手荷物タグに書かれた数字を確認しながら順番に探します。
航空会社にもよりますが番号の桁数も多い(6~10桁)上に、タグの数字も小さいので探すのは至難の業です。
● 大型機の場合
コンテナごとに荷物を分類して積み込んでいるため、搭載されているコンテナの中から探し出します。
コンテナ内の搭載数こそはものすごく多いわけではないのですが、奥の方にあるコンテナだった場合は手前に積んだコンテナを再び動かす必要があるので、時間がかかります。
● 小型機の場合
コンテナを使わず、荷物をひとつひとつ直接貨物室に並べて積み込む方式です。
この場合狭い貨物室内で屈んだ状態で、200個近い荷物の中から該当する手荷物を探し出すこともあります。
特に荷物の多い繁忙期や、夏場の暑い環境での作業となると、スタッフにとっても非常に負担が大きです。
しかし実際のところは定時に出発できるように搭乗締切時刻より前から探し始めるので、締切ギリギリに乗客が見つかって捜索中止も珍しくありません。
だからといって搭乗締切時刻を過ぎても良いわけではないので、ご注意を。
荷物だけが行ってしまう例外はあるの?
稀ではありますが以下のようなケースが、例外として発生することがあります。
- 貨物室に入りきらなかった場合
→小型機に大きな手荷物を多くの乗客が預けてキャパシティーを超えてしまった場合、イレギュラー対応として別便で飛ばすことがあります。
乗り遅れたときの対処方法
もしも飛行機に乗り遅れてしまったら、慌てず以下の行動を取りましょう。

- まずは搭乗口で乗れるかどうかを確認
- 搭乗不可なら荷物の場所と受け取り方法を確認
- 次便への振替やキャンセル対応の相談
- 荷物の戻り時間や手続きの流れを確認
多くの場合手荷物受取所で返却されるか、空港職員が案内してくれます。
まとめ:荷物だけが飛行機に乗ることは基本的にない
飛行機に乗り遅れても、預けた荷物が勝手に一人旅をするようなことは基本的にありません。
保安と安全運航の観点から、航空業界では乗客と荷物をセットで管理することが徹底されています。
ただし、荷物の積み込みや取り下ろしには空港スタッフの丁寧で迅速な作業が支えになっています。
搭乗にはぜひ時間に余裕を持って行動し、トラブルを未然に防ぎましょう。
それでは良い旅を。