
「グラハンになりたいけど、どんな資格が必要なの?」
「未経験でも本当に目指せるのかな?」
航空業界の地上支援を担う「グランドハンドリング(グラハン)」は、飛行機の安全な運航を支える重要な仕事。
しかし「体力が必要」、「資格が多そう」、「専門知識がないと無理では?」といった不安を抱く人も少なくありません。
特に「特殊車両を運転するって聞いたけど、私にできるだろうか…」と尻込みしてしまう人も多いはずです。
でも大丈夫!
ほとんどの作業は入社後に基礎から研修を受けてから始まるので、知識ゼロでも問題ありません。
現場の車両も年々操作がシンプルになっており、特別なスキルがなくても安心してスタートできます。
実際に私自身も、航空の知識ゼロ・運転免許(AT限定)のみで入社し、現場で活躍してきました。
この記事では、
- グラハンに必要な資格
- 未経験でも採用されやすい理由
- 実際に役立つおすすめ資格
- 元グラハンのリアルな体験談
をもとに、これからグラハンを目指す方が安心して一歩を踏み出せるよう、わかりやすく解説していきます。
グラハンの仕事とは?
グラハンとは「グランドハンドリング」の略で、飛行機が安全かつ定時に出発・到着するために、地上で支援する仕事のことです。
具体的には手荷物や貨物の搭降載、航空機の誘導(マーシャリング)、プッシュバック、燃料補給、機体の除雪など、多岐にわたる作業があります。
見た目は力仕事に見えるかもしれませんが、実際はタイミングと連携が求められる繊細な仕事です。
飛行機という巨大な乗り物を相手にするだけに、少しのミスが大きな事故につながる可能性もあるため、正確性や安全意識が非常に重要視されます。
マーシャラの業務内容はこちら
グラハンに必要な資格とは?
最低限必要なのは運転免許(AT限定可)
基本的に普通自動車免許があればOKです。
かつてはMT免許が必要な会社もありましたが、近年はAT限定でも問題ない場合がほとんど。
業務中に使用する特殊車両もAT化が進んでいます。
社内資格が中心で外部資格は基本不要
グラハンでは多くの資格やスキルを入社後に社内で取得します。
各社で定められた社内資格があり、訓練・試験をクリアすることで特定業務に就ける仕組みになっています。
しかし近年は人手が不足しやすい地方空港を中心に、JALとANAの共通資格制度の導入が進みつつあります。
普通免許のみで問題ありませんが、実際には中型や大型の車両を用いて作業を行う場面も多くあります。
現在は普通免許を持っていれば、一定の社内訓練を経ることで空港内に限りこれらの車両の運転が認められるようになっています。
かつては入社後に会社負担で教習所に通い、中型免許などを取得してから訓練に入るのが一般的でした。
ただし地域イベントなどで車両を空港の外へ持ち出す場合には、公道走行のため中型・大型免許が必要です。
たとえ腕に自信があっても、運転できません。
あると役立つ!おすすめ資格一覧
資格名 | メリット |
---|---|
普通自動車免許 | 業務車両の運転に必須。AT限定でOK。 |
フォークリフト免許 | 講習修了が必要で普通免許だけではNG。取得済なら即戦力として歓迎される |
危険物取扱者(乙4) | 給油や化学物質に関わる現場で有利 |
TOEICスコア | 国際線・外航便を担当するチャンスが広がる |
フォークリフトの運転はたとえ空港構内であっても所定の技能講習を修了しないと業務に就くことができません。
普通免許だけでは操作不可なため、事前に取得しておくと採用時に有利になるケースがあります。
会社によっては入社後に取得を支援してくれる制度もありますが、面接時点で「持っている」とアピールできると強みになります。
未経験でもグラハンを目指せる理由
充実した研修制度がある
航空業界では安全第一が徹底されており、新人教育は手厚く実施されます。
知識ゼロでもしっかりと育成してもらえます。
航空需要の回復で、異業種からのチャレンジが増加中
コロナ禍を乗り越え、国内外の旅行需要が大きく回復。
インバウンドの増加や観光地の再活性化により、航空業界全体が再びにぎわいを見せています。
それにともない、グラハン職の新規採用も活発化。
元販売職・介護職・製造業など、まったく異なる業界から転職してくる人も増えています。
女性も多数活躍中
グラハンは体力仕事のイメージが強いですが、実際は女性比率も高め。
会社によっては日曜大工が得意なスタッフが背の低い女性社員向けに踏み台や補助ペダルを作ってくれることもあったそうで、道具や助け合いなどで十分カバーできます。
実際に働いていた体験談
航空に関する知識もスキルもゼロで持っていたのは普通免許(AT限定)のみでしたが、採用面接でも特に問題なく、配属後の研修で社内資格を取得しながら現場に出る流れでした。
広い空港を動き回るので体力的には慣れるまで大変なこともありましたが、男性ばかりという印象もなく、女性でも浮かない環境で安心したことを覚えています。
何よりチームで協力しながら1便を無事に送り出す瞬間は、本当にやりがいがあります。
まとめ|資格よりも大事なこととは?
グラハンを目指すうえで「資格がないと無理かも」と不安に思う人は多いですが、実際には資格よりも「安全意識」「責任感」「チームワーク」が重要です。
最低限の運転免許さえあれば、未経験からでも十分にスタートできます。
少しでも興味があるなら、ぜひ一歩を踏み出してみてください。
あなたのような人材を、航空業界は待っています。