飛行機の搭乗順を間違えたらどうなる?守るべき理由と航空会社の意図とは

飛行機に乗るとき、搭乗券に「Group3」や「Group4」といった番号が書かれているのを見たことはありませんか?

最近ではANAやJALといった大手航空会社を中心に、グループに分けて機内へ案内する分割搭乗がスタンダードになっています。

しかし「順番を守らなくても、実際のところ乗れる?」「間違えたら止められる?」などと心配に思う人もいるのではないでしょうか。

本記事では搭乗順のルールにおける背景や意味、守らなかったときの実際の影響について詳しく解説します。


飛行機の搭乗順はなぜ決められているのか

グループ分け導入の背景

ANAやJALなど大手航空会社では、搭乗券に「Group1」や「Group3」といった番号が印字され、順番に呼び出しが行われます。

かつては「ダイヤモンドメンバーの方からご案内します」などのアナウンスによる案内が中心で、明確な搭乗グループはありませんでした。

そのためインバウンドの団体客が早々に搭乗口へ集まってしまい、本来優先案内されるはずのステータス会員の乗客が険しい表情をしていたことをよく覚えています。

コロナ禍で浸透した理由と定着の流れ

2021年ごろから、航空会社は乗客をグループごとに分けて案内する「分割搭乗」を正式に導入しました。

ちょうどコロナ禍で利用者が少なく、密集を避ける意識が高まっていた時期だったこともあり、この方式はスムーズに浸透しました。

2025年現在でも多くの航空会社がこのシステムを継続しています。

LCCやスカイマークの搭乗案内スタイル

一方で、スカイマークやLCCでは細かいグループ分けはなく、優先搭乗が終わると「後方列から」や「窓側から」といった簡易的な案内が一般的です。

目的は同じく、機内の混雑を緩和して定時出発を目指すことにあります。


搭乗順を間違えるとどうなる?

実際に止められることはない

搭乗口のゲートは電車の改札のように、自動で止める仕組みではありません。

そのため、たとえGroup5なのにGroup3のときに並んでも、ゲートの通過は可能です。

妊婦・子連れ・車いす利用などの優先搭乗は一番乗り

対象となる人たちも元々はグループ番号が割り振られていますが、優先搭乗は搭乗口での自己申告制なのでグループ番号に関係なく先に案内されます。

ここで問題なく搭乗できるためにも、異なるグループで通過してもエラーが出ないわけです。

同行者とグループが違う場合は一緒に並んでもOK

JALでは同行者とのグループ番号が異なる場合は、「一緒に早いグループで搭乗してよい」と公式サイトで明記されています。

またPeachでは「窓側のお客様とそのお連れ様からご案内します」とアナウンスするなど、柔軟な運用を行っています。

このため「グループが違うと弾かれる」といった事態は起きませんので、安心ですね。


搭乗順を守らないことで起きること

間違えてしまったり、事情があって異なるグループで搭乗したりすること自体は問題ありませんが、もし故意に守らなかった場合は後から面倒なことが起きてしまいます。

座席トラブル

自身の席が通路側だった場合は先に座ってしまうと、後から窓側の乗客が来た際に立ち上がらなければならず、結果的に自分も周囲も手間を取らされます。

また早々にシートベルトを装着していると、より煩わしさを感じるでしょう。

機内混雑による出発遅延リスク

航空会社が搭乗順を決める目的は、機内混雑の回避と定時出発です。

順番を無視して自由に乗り込む人が増えると、通路が混み合い、荷物の収納に時間がかかり、結果として出発が遅れる原因になりかねません。

客室乗務員は収納棚に手荷物を収納する際は座席に一歩入って通路を空けるようにアナウンスしていますが、乗り慣れている人でも結構難しいです。

バスでのターミナル移動は搭乗順が崩壊する

地方空港やLCCでよくある「バスで駐機場まで移動してからの搭乗」では、後方席から案内しても実際はバスにまとめて乗せるため、窓側・通路側の順序は崩壊します。

結局狭い機内で渋滞が起こり、効率は落ちてしまいます。

LCCが遅延する理由はさまざまな要因が積み重なった結果ですが、そのひとつがこれです。

また大手航空会社の小型機は70名程度に対してバスを2台手配しますが、LCCは180名にバスは3台程度で駐機場へ向かいます。

満席だと車内も混雑するので、搭乗順など気にしていられないのです。


航空会社が搭乗順を設ける本当の狙い

機内混雑を緩和して定時出発を守るため

最大の理由は、限られた時間で多くの乗客をスムーズに機内へ案内し、定時出発を実現することです。

搭乗順はそのための合理的な仕組みといえます。

サービス差別化と顧客満足度向上の一環

上級会員やビジネスクラスの利用者に対して「優先搭乗」という特典を提供することで、顧客満足度を高める狙いもあります。

搭乗順は単なる効率化だけでなく、サービスの一部でもあるのです。

まとめ

飛行機の搭乗順は、守らなくても実際には乗れます。

優先搭乗や同行者とグループが離れた際には、早く乗ることに全く問題ありません。

しかし、自身のわがままによるものであれば航空会社が効率や安全を考えて設けているルールを軽視する行為であり、結果的に自分や周囲に迷惑をかける可能性があります。

とくに定時出発や機内混雑の緩和は、すべての乗客にメリットがある大切なポイント。

搭乗順をきちんと守ることは、快適なフライト体験を共有するための最低限のマナーです。

自分本位な行動を避け、スムーズな搭乗に協力する意識を持ちましょう。

それでは良い旅を。

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