
飛行機が完全に停止してベルト着用サインも消えて、通路には手荷物を取り出した乗客が所狭しと並ぶ中で…ドアが開かない。
そんな経験、一度はありませんか?
「遅いなぁ」なんて思うかもしれませんが、実は安全のために必要な準備と確認があるからなんです。
今回はグラハンの目線で、飛行機が止まってからドアが開くまでの流れをわかりやすく紹介します!
まず最初に必要なのは「エンジンを止めること」
飛行機のエンジンって、実はめちゃくちゃパワフル。
人が近づいたら危ないくらいの吸引力と熱風があるため、エンジンが完全に止まるまでは絶対に近づいてはいけません。
特にプロペラ機は惰性で回っている間も近づけないため、完全停止まで待つ必要があります。
だからまずは、
- 機長がブレーキをかける
- 両側のエンジンを順番に停止
- 衝突防止灯(アンチコリジョンライト)の消灯
この手順が終わるまでは、地上スタッフも作業スタンバイの状態なんです。
すぐにドアが開かないのは、地上の準備が必要だから
エンジンが止まっても、すぐにドアを開けられるわけじゃありません。
飛行機のドアを開けるには、いろんな準備と連携が必要です。
■ 搭乗橋(PBB)の接続がうまくいってない
今のPBB(パッセンジャーボーディングブリッジ)は、ボタン1つで自動装着できる空港も増えてきて、
最後にちょっと調整するだけで完了する仕様もあり、変化しつつあります。
でも機材によってはドアの位置が違ったり、停止位置がずれたりすると、スムーズに接続できないことも。
車とは違って操作方法も独特なので、一度失敗すると沼にハマって何回もやり直しをするも上手く装着できなくなり、新人のうちは結構苦労します。
私も苦手ジャンルでしたので、お待たせしたことも多かったかもしれません。
また客室乗務員と引継ぎをするために、グランドスタッフも一緒にいるのでプレッシャーはすごかったです。
■ スポット変更で準備が追いついていない
よくあるのが、「予定の駐機場が急に変更になったパターン」。
飛行機はすでに新しいスポットに到着しているのに、搭乗橋(PBB)の準備が間に合っていないというケースです。
実は搭乗橋(PBB)で小型機から大型機まで、幅広く対応可能な装置です。
急遽変わったことで搭乗橋(PBB)の高さが全く違うと、その設定から始めなければなりません。
そうなると余計に時間がかかるので、機内で待っている身からすると時間がかかっているように感じてしまうかもしれません。
そのほか、こんな理由も…
- 機体の不具合で自力でエンジン停止ができず、特別な措置が必要
- オープンスポット(沖止め)で使用する、タラップやバスが間に合っていない
- パイロットによる衝突防止灯(アンチコリジョンライト)の消し忘れ
まとめ:飛行機のドアがすぐ開かないのは、ちゃんと理由がある!
到着してすぐに降りられないのは、サボってるわけでもミスでもなく、安全をしっかり確認してからじゃないとドアを開けられないからなんです。
「なんでまだ開かないの?」と思ったときは、裏側でいろんな人が動いてるんだな〜と、ちょっとだけ応援してあげてみてください。
それでは良い旅を!