2025年7月18日、デルタ航空の旅客機が右エンジンから出火し、ロサンゼルス空港に緊急着陸するトラブルが発生しました。
SNSには火を噴く機体の映像が投稿され、大きな話題となっています。
このニュースを見て、「飛行機って危ないのでは?」と不安になった方もいるかもしれません。
今回の件では、以下のこと報じられています。
- 使用機材はボーイング767/座席数238席
- 離陸から約10分後に緊急着陸
- 乗員乗客は全員無事
- 原因は現在調査中
この記事ではトラブルの詳細と考えられる原因、航空機の安全性について解説するとともに、日本でも起きた過去の類似事例を紹介します。
事故の概要

2025年7月18日、デルタ航空446便が離陸直後に左エンジンから出火し、ロサンゼルス国際空港へ緊急着陸しました。
同機はロサンゼルス発アトランタ行きでSNSには炎を上げる様子が映され、多くの注目を集めました。
使用されていたのはボーイング767-400(ER)型機で、座席数は238席。
搭乗者の正確な人数は公表れていませんが、乗員乗客は全員無事だったと報道されています。
またflightradar24によれば離陸からわずか10分ほどで空港に引き返しており、パイロットの迅速な判断と対応が功を奏したと見られています。

出火の原因は?現在デルタ航空が調査中
2025年7月21日時点で、デルタ航空からは出火の具体的な原因は発表されていません。
航空機のエンジントラブルでは、以下のような原因が考えられます。
- バードストライク
- 燃料供給系統の異常
- エンジン内部の部品劣化や損傷
- センサーや制御系統の故障
なお航空機のエンジンには、火災検知センサーや自動消火装置が装備されています。
エンジンが火を吹く=墜落ではない理由

「エンジンから火が出た」と聞くと墜落のイメージを持たれるかもしれませんが、実際にはそうではありません。
航空機は一部の機能が故障しても安全に飛行・着陸できる設計となっています。
今回のデルタ航空機のような双発機(エンジン2基)は、片方のエンジンだけでも飛行が可能です。
さらにパイロットは日常的に緊急事態対応の訓練を行っており、異常時でも落ち着いた判断と操作が可能です。
日本の事例|ANA機が福岡空港に緊急着陸(2019年)

今回と似た事例が日本でも過去に発生しています。
2019年12月19日、福岡発羽田行きのANA246便で起きたトラブルです。
当便は離陸直後に右エンジンから出火し、福岡空港へ引き返して緊急着陸しました。
偶然かもしれませんが使用されていたのは、今回と同じボーイング767型機。
機内には乗客乗員あわせて278人が搭乗しており、全員無事でした。
ANAによると離陸直後にエンジンの温度異常が計器で確認され、右エンジンを停止。
トラブルが起きたのは空港から南約3.5キロ、高度約600メートル付近で、約20分後の午前10時15分に着陸しています。
この影響で滑走路は一時閉鎖され複数の便に遅れや目的地変更の影響が出ましたが、迅速な対応で安全は確保されました。
その他の国内の事故の事例はこちら。
経験者の視点|安全は秒単位の連携で守られる
私自身も空港でグラウンドハンドリングに携わっていましたが、航空業界では緊急事態への備えが常に整備されています。
たとえば、
- 空港消防が直ちに出動準備
- 整備士が原因を迅速に調査
- グランドスタッフが代替便・振替案内の準備
このように人とシステムが秒単位で連携する体制が、航空の安全を支えているのです。
まとめ|飛行機は「万が一」に備えて設計されている
- デルタ航空446便は左エンジンからの出火により緊急着陸したが、乗員乗客は全員無事
- 機材:ボーイング767-400(ER)型機
- 原因は調査中
- 日本でも2019年にANA機で類似した事例が発生しているが、こちらも全員無事
- 飛行機は冗長性ある設計と訓練体制により、緊急時でも安全に着陸できる対策を取れるようにつくられている
飛行機に関するトラブルのニュースは不安を誘うものですが、実際には万が一に備えた設計・訓練・連携が徹底されている乗り物です。
こうした事例を通じて、航空の安全性をより冷静に理解していただけたら幸いです。