
空港でグランドスタッフ同士の会話に聞き耳を立てていると、「アルファ」や「ブラボー」などと会話の流れとしては少し不自然な用語を使って会話していることがあります。
これは航空業界で無線や電話のやり取りをする際に使われる、アルファベットの特殊な読み方です。
雑音や混信がある中でも間違いなく伝えるための国際ルールで、正式名称はフォネティックコードといいます。
航空会社のパイロットや管制官だけでなく、空港の地上スタッフや整備士、さらに旅行会社でも使用されており、エアライン志望者でなくても知っていて損はありません。
この記事では、航空業界で使うアルファベット読み方の一覧と、覚え方・使い方の実例を詳しく紹介します。
フォネティックコードとは?
フォネティックコードとは、アルファベットを明確に伝えるための共通言語のこと。
たとえば電話口で「B」と「D」を聞き間違えてトラブルになった…なんて経験、ありませんか?
航空業界ではそんなミスが命取りになるため、確実に伝わる方法が必要となります。
- 無線は雑音や混信が多く、声がこもることもある
- 英語の発音が似ているアルファベット(BとD、MとNなど)が聞き間違えやすい
- 数秒のやり直しが大きな遅延やトラブルにつながる場合がある
フォネティックコード一覧
以下が国際標準の「NATOフォネティックコード」です。
アルファベット | コード | 発音 |
---|---|---|
A | Alpha | アルファ |
B | Bravo | ブラボー |
C | Charlie | チャーリー |
D | Delta | デルタ |
E | Echo | エコー |
F | Foxtrot | フォックストロット |
G | Golf | ゴルフ |
H | Hotel | ホテル |
I | India | インディア |
J | Juliett | ジュリエット |
K | Kilo | キロ |
L | Lima | リマ |
M | Mike | マイク |
N | November | ノーベンバー |
O | Oscar | オスカー |
P | Papa | パパ |
Q | Quebec | ケベック |
R | Romeo | ロメオ |
S | Sierra | シエラ |
T | Tango | タンゴ |
U | Uniform | ユニフォーム |
V | Victor | ビクター |
W | Whiskey | ウィスキー |
X | X-ray | エックスレイ |
Y | Yankee | ヤンキー |
Z | Zulu | ズールー |
実際の現場での使い方
座席番号
航空券に座席番号が13Aや25Hと書いているのを、見たこともある人もいるのではないでしょうか?
13列目のA席、25列目のH席ですが、客室乗務員やグランドスタッフなどの間では以下のように読みます。
・13A:ジュウサンアルファー/イチサンアルファー
・25H:ニジュウゴホテル/ニーゴーホテル
機体番号

飛行機は同じデザインが多いですが、1つ1つには番号が振られています。写真の黄緑枠が機体番号です。
この番号は「国籍記号+登録記号」で構成されていて、JA209Jの機体番号では「JA(国籍記号)209J(登録記号)」となります。
主にグランドハンドリングスタッフが使用しますが、以下のように読みます。
・JA209J:ニーゼロキュージュリエット/ニーマルキュージュリエット
※国内線業務の現場では、国籍記号(JA)を省くことも多いです。
暗記方法
ストーリーで覚える
「アルファがブラボーにチャーリーを紹介した…」のように物語を作る。元素記号みたいですね。
トイレに一覧表を貼る
すき間時間に覚えるのがタイパ抜群です。
耳で覚える
YouTubeでオリジナルソングにしている動画もあるのでおすすめです。
旅行会社での使用例

旅行会社でも、アルファベットを正確に伝えるためにフォネティックコードが活用されています。
例えば航空券予約の際にパスポートのローマ字表記を確認するときや、予約番号を電話で伝えるときに使用します。
特に海外のオペレーターとやり取りする場面では、聞き間違い防止に大きく役立ちます。
まとめ
フォネティックコードは航空業界だけでなく旅行業界でも活用されている、国際標準のアルファベット読み方です。
一度覚えてしまえば、就活や資格試験、海外旅行、英語の電話対応など、幅広い場面で役立ちます。
エアライン志望者はもちろん、旅行や海外対応の仕事をする人にもおすすめのスキルです。
これを機に、ぜひ覚えてみてくださいね。