
飛行機を降りた後の預けた手荷物を待つ時間に、「なんでこんなに時間がかかるの?」とイライラした経験はありませんか?
私も乗る予定の電車やバスの発車時刻が迫っていると、そんな気持ちになることがあります。
飛行機の手荷物返却には様々な手順があることからすぐには返すことができませんが、その代わりちょっとした工夫で待ち時間を短くできることもあります。
この記事では手荷物が出てくるのが遅くなる理由と、できるだけ早く荷物を受け取るためのコツをわかりやすく解説します。
なぜ手荷物の返却に時間がかかるのか?

大型機は手荷物の数も多く、準備にも時間がかかる
ボーイング777やエアバス350などの大型機は乗客数が300人を超えることもあり、当然ながら預けられる手荷物の数も膨大になります。
荷物は主にコンテナで搭載されており、取り出すのにも時間がかかるのです。
まずはドアオープン
コンテナ用の貨物室はドアが電動式になっていて、手動ドアより時間がかかります。
(加えてボーイングはドア開閉のスピードが遅い…)
続いて車両の設置とコンテナの取り出し

貨物室のドアが開いてもコンテナを降ろすハイリフトローダーや、返却場まで運ぶコンテナドーリーといった地上設備が装着されないと荷物を降ろすことができません。
これらの装着作業にも一定の時間が必要で、結果として返却が遅れる要因になります。
ようやく乗客のもとへ到着
荷物をターンテーブルに流すのは人の手によって行われます。
コンテナからでも手積みからでも、ターンテーブルに一度に流せる量には限界があります。
ターンテーブルの大きさは航空機のサイズにかかわらず基本的に一律のため、大量の荷物を少しずつ順番に流すしかないのです。
なお手積みの場合は貨物室から荷物を一つひとつ手作業で下ろすため、小型機でも時間がかかることがあります。
早く預けたからといって早く出てくるとは限らない
荷物は搭載時の位置や順番によって機体の前後に分けられたり、他の荷物とまとめられたりするため、順番通りに出てくるとは限りません。
逆に直前で預けた荷物の方が、最後に積まれて最初に出てくる場合もあるのです。
空港の構造によっても差が出る
空港によっては到着した駐機場から手荷物返却場までの距離が非常に近いことがあります。
そうするとターンテーブルの前に到着するまでが早すぎて、荷物がまだ運ばれていないというケースも。
実際は工程が進んでいても、「もう到着してから結構経つのに、まだ?」と感じてしまうことがあるかもしれません。
手荷物を早く受け取るコツ
大手航空会社ならカード会員が優先される
JALやANAなどの大手航空会社では、ステータスカード保有者の荷物に優先タグがつき、早く出てきます。
2. LCC(格安航空会社)でも「優先返却オプション」がある
Peachでは追加料金を払えば優先的に返却されるオプションをつけられます。
混雑する空港や、子連れでの旅行の際には有効な手段です。
3. トイレ休憩で賢く時間をつぶす
「まだかな…」とターンテーブルの前でずっと待っているのも疲れますよね。
実は大型機の到着後はトイレにも行列ができるため、用を済ませて戻ってくるころにはちょうど荷物が出てくることもあります。
特に女性用トイレは並ぶことが多いため、「どうせ待つなら先に行っておこう」という考え方もアリです。
乾燥した機内で崩れたメイクを直したり、スマホをチェックしたりするだけでも気分転換になり、イライラを避けられます。
ただし注意点がひとつ。
一度でも手荷物返却場の外に出てしまうと、原則として中には戻れません。
後から取りに戻ることはできないため、荷物を受け取る前に返却場を出てしまわないように気をつけましょう。
地方空港では乗客も手荷物も多くないので、トイレに行っていると最後に1個になって館内放送で呼び出されることもあります。
まとめ
手荷物の返却が遅いのは、飛行機の大きさ、荷物の数、機材の構造、地上設備の準備、空港の設計、ターンテーブルの処理能力など、さまざまな要因が重なっているからです。
また預けた順番と返却順は必ずしも一致しないため、工夫やオプションサービスの利用がおすすめです。
到着後は焦らずトイレ休憩などでうまく時間を使いながら待つのも、スマートな空港利用のひとつです。
それでは良い旅を。